自転車日和

一人旅好きな自転車女子のライド記録と雑記。ロングライド、ブルベと時々山登り。

冬の関東最高峰【登山】

3/1は日光白根山に行ってきました。
この日は誕生日だったので働きたくないし、特別な場所で特別なことがしたいなと思っていました。
以前から私のブログを読んでくださっている方にはご存知の通り奥日光が大好きなので、関東(以北)最高峰である日光白根山(奥白根山)から大好きな奥日光を見下ろす挑戦をすることにしました。
※男体山も登ってみたかったんですが、冬の男体山は入山禁止とのことなので挑戦権すらありません。山頂ライブカメラを見てるとたまに登ってる人いるんだけどね、ルールは守らないとってことでね…。


以前からいつか冬の日光白根山に登ってみたいと思っていて、登っている人のレポートを読んだりしていたのですが、この山、冬になると入山者が減るっぽいのです。丸々一週間誰のレポートも上がってないこともあるので、個人的にはハードルが高い山でもあります。
2/26(土)は数件情報が上がっていて雪も締まっていたそうですが、27、28と情報がなく(しかも27日は日曜日なのに)、これはもしかしたら厳しいことになるかも……と思いつつ、とりあえず現地までは行ってみることにしました。


道中眠さのあまり仮眠したり、お湯を持って来るのを忘れていることに気付いてお昼ご飯を買ったり、腹痛峠を越えるのに何度か時間を費やしたりしてしまって出発が予定より大分遅れそうかなと思ったのですが、8:00には丸沼高原スキー場に到着することが出来ました。
丸沼高原スキー場のリフト運行開始時刻は8:15、準備をしてセンターステーションへ向かいます。
ちなみに駐車場は平日無料、土日祝は1000円です。(離れた駐車場は駐車料金がかからないところもあります)




座禅温泉前の登山受付横に登山届とココヘリのレンタル申込用紙があります。
日光白根山は登山届とココヘリの携帯が義務付けられており、登山届の提出と引き換えにロープウェイの券を購入する形になっているようです。
登山を始めてココヘリをよく耳にするようになりましたが、ブルベにもココヘリを携帯する方もいるようです(私はブルベ始めたての頃にいろんなランドヌールのブログを読んでいてココヘリの存在を知りました)




ロープウェイは往復2000円にココヘリレンタル料1100円、ロープウェイのカードのデポジットで1000円。4100円のお支払いです。休日だと駐車料金1000円が上乗せになるのでなかなかの出費。
下山報告してカードとココヘリを返却すると1000円返ってきます。




もうすでにロープウェイは運行しているので早く乗りたかったのですが、ロープウェイ乗り場が分からずにウロウロ……。
おかしいなあ、一昨年日光白根山登ってるはずなんだけどなあ!?
ちなみにセンターステーション2階からゲレンデに出て右手に回り込まなきゃいけない感じでした(笑) 建物外だからフロアマップにも書いてなくてすごい迷っちゃった。




日光白根山ロープウェイは4人乗り。
先日の北八ヶ岳ロープウェイとは違い、次から次へと乗れます。5分も待たずに貸し切りのゴンドラに乗ることが出来ました。




日光白根山ロープウェイ山頂駅に到着。今からあの山のてっぺんを目指す!
ちなみにここまでに一人も登山の格好をした人を見ていないぞ!とても不安になってきた!




日光白根山といえばこれだよね。一昨年の写真と比べると積雪量のすごさがとてもよく分かります。
そして右奥にはつい先週の日曜日に世界一受けたい授業か何かでやっていた、なんか映えそうなドイツ語標識。




最初はアイゼン付けなくても良さそうだったけど、面倒くさいので最初から付けて行っちゃいます。
予定通り、9:00に登山開始。
鳥居ががっつり雪に埋もれていました。なんかもう一昨年の無積雪期の写真と比べてくださいとしか言えない…。




無事に登頂出来ますようにと神様にお祈りしてからいざ出発。




北横岳よりも雪がすごい!なんて思いながら歩いていたけど、帰ってきて写真を見返してみたら別にそんなこともなかった。
スノーシューコースまではしっかりトレースもついていました。




スノーシューコースが終わると、わかんと思しき足跡が一人分あるのみ。
トレースがなければ多分この先で詰んでただろうと思うので、感謝しながら先に進みます。




それにしても木の幹に積もった雪の量がすごい。




時々地図を確認しながらトレースを辿ります。




たまに足跡が増える時があるけど、多分動物のものだよね。鳥一匹いやしなかったけど…。




いくらか登ってきて、周囲を見回すとこの景色。やっぱり青空っていいなあ…最高…。




9:42 雪に埋もれた大日如来。
ここまでは概ね夏山のコースタイム通り。ここから2時間弱で頂上に着けるのか…。ちなみに冬山はいつもコースタイム×1.3~1.5くらいで計画を立てています。




もこもこ雪の木の奥に日光白根山の頭がちらっと見えました。




話には聞いていたトラバース。一昨年こんな怖い道歩いた記憶全然ないんだけど!?やっぱり雪山はこわい。
しっかりトレースを辿っていきますが、それでも踏み抜きかけることがあるので一層注意が必要です。土曜日はしっかり踏み固められていたみたいだけど全然そんなことないじゃん~!




変に緊張して疲れたので途中でちょっと一休み。美しい景色が癒してくれます。緊張が解かれるまではいかないけど!




なんとか渡り切りました。ふぅ~緊張した。
でもまさかこんな道がたくさんあるなんて思いもしないのであった…。




とりあえず木々の合間から浅間山。浅間山はちゃんと見れば分かるよ!他に見て分かるのは男体山と筑波山と富士山くらいかな!山が密集してるところは全然分かんない。




のんびり登っていると、前方から登山者が下りてきました。第一登山者発見!
10:40頃だったと思うけど、この時間に下山…?速すぎない…?だってロープウェー始発に乗ったとしても山頂駅到着8:30だよ!?2時間で登頂してここまで戻ってくるのはやばくない!?一体何時からどのルートで登っていたのか気になります。
「頑張って~」と声をかけてもらって後ろ姿を見送りました。他の人に会ったか聞いとけばよかったなあなんて後から思いました。
そして再びトラバース。




山がきれい(休憩)




トラバース。




山がきれい(休憩)




途中の急登で膝まで埋まるせいでなかなか上にあがれないわ、ストックが邪魔すぎていっそピッケル使いてえ~なんて思うも時すでに遅く今更ザックを下ろしにくい斜面にいるわでかなり体力消耗。ふくらはぎも痛くてたまらんので、安全そうな場所で腰を下ろして一休み。




距離のわりに写真が少ないことで察してほしいんですが、普通にキツかったです。せめて標準体重まで痩せればこんなにつらい感じもしないのかもしれないけど…。
11:15 そんなこんなで森林限界を迎えました。大日如来から1時間半しか経ってない……体感3時間くらいだったんだけど……。




ストックだとキツイから途中からピッケル使ってたんですが、ここまで来たらもうお役御免かな。再びストックに持ち替えます。




まだ山頂じゃないけど、ここまで来たらこんなに景色が開けるの!すごくない!?




新たに見た目だけで何の山だか分かるようになった山があります。
一番右の双耳峰、燧ヶ岳。覚えました。去年は天気予報見て会津駒ヶ岳の方に行ったから、燧ヶ岳は結局登らずじまいだったな。今年は行ってみたいところ。




なんかもう最高すぎてここまで来たら満足かも~って気分になっちゃったんだけど、ここまで来たからこそあと少しで山頂!気合入れていくぞ!




日光方面はうっすら青空。
そう、前日の夜には12時台てんくらAだったのに朝起きたらBだったんだよね。15時以降Cになることには変わりなさそうなので、出来れば早めに下山したいところでもあります。




ここからは風がびゅうびゅう強くて、まったく雪に足が埋まる気配がありませんでした。それどころか足元の雪はざくざくで、良い感じにアイゼンの刃が突き刺さってくれました。
トレースも風でほとんど消えかけていますが、ここまで来てしまえばロープも張ってあるので迷うことはありません。




もはや雪と空の境目がよく分からない感じ。




雪で足が沈まないからと言って、他に気を付けなければならないことはたくさんあります。
雪山登山を始めるにあたって情報サイトやいろんな方のブログを読んでいた時に、県内の方で行動範囲も似てるなと思ってフォローさせていただいたやまみほさんのブログで滑落事故の記事を目にしました。



山頂付近は岩が見え隠れする感じになっているので、真っ先にこの記事を思い出して足元をよく見ながら歩いていきます。
なんせアイゼンの刃を岩に引っかけるとか、最近は減ってきたけどレッグカバーを刃で裂いちゃうとか、スノーバスケットの溝に刃を引っかけるとか、その辺は一通りやってしまってるものなので…。




注意しながら登って偽ピークの奥白根神社。
一昨年は9月なのに天気が悪くて強風で寒くて、気温5℃くらいの中寒さに震えながら昼食をとった覚えがあります(笑)




あの岩のてっぺんに小さく見えるのが山頂標識ですが、そこに行くまでには一度岩を下って再び登らなくてはなりません。
どうやって下りるのか必死過ぎて写真を撮り忘れましたが、東側から岩を階段のようにして下りていきました。トレースは「マジでここ下りたの!?」みたいなところについていましたが、着地点で踏み抜く可能性もあるし、単純に脚を伸ばした時に届かない場所から下りるのは大変危険なのでここはある意味一番苦戦しました。
だって、この山あまりに誰も来なさすぎるからさ!万が一身動きが取れなくなったら週末まで誰にも気付かれずに放置されるはめになるからね!




一度はマジで下り方が分からなくてもう山頂は諦めるか…と思って観念して奥日光の方の写真を撮ったりしてました…。
でも山頂を目の前にして!この時間になったら引き返そうと思っていた時間にもまだまだ余裕があって!諦めきれないよなあこの特別な日に!というわけで頑張って頭を働かせました(笑)




12:10 念願の冬の日光白根山に登頂!




気温は-5℃。一昨年はこんな温度計なんてなかったのに、新しく設置されたんだねぇ。




記念自撮り。




念願の奥日光が見下ろせる場所で過ごす誕生日!最高だ!最高の誕生日プレゼントだ!




ここから見るとすごく近く見えるのに意外と距離があるんだよなあ…。




うっすら浅間山。晴天ではないから仕方ないね…。




ねこみみ燧ヶ岳。




AR山ナビで確認したけど忘れちゃった。真ん中のひときわ白いのは至仏山であってるのかな?




いつもウルトラワイドを使って撮ってましたが、普段4:3のサイズで撮ってるのをフルサイズにして写真に撮ったらそれだけでなかなかワイドな写真が撮れました。私のスマホなんかすごい縦長なんだよ…。




男体山ファミリー。
あれ?なんかさっきより少し晴れてきた?




もういっかい燧くん。




帰りの最終ロープウェイは15:30で、間に合わなければ自力下山するしかなくなってしまうので、ぼちぼち撤収。風も強いしね。
というわけで山頂から下りて、ひとつ登り返して、山頂を振り返って見ると………青空!?なんで!?なんで山頂にいる時は青空じゃなかったのに!?




なんだよもう~~~最高じゃん~~~!あと10分粘ってればよかったよ~~~!どうせ他に登山客いなくて山頂独り占めできる日だったしさ~~~!




さすがに登り返すほどの時間はなかったけど、悔しかったので青空の下登ってます風の写真を撮るためにスタンドを設置して10mくらい歩きました(笑)




これさあ…誰かと一緒にやってるわけじゃないんだぜ……半径数キロ圏内に誰もいない山の中で一人でやってるの……誰もいないのが分かってるからもはや恥ずかしさとか何もない。歌いながら歩いてても誰にも聞かれない。そんなのもう楽しくなっちゃうよね。




大分下りてきました。ぼちぼちまた山の中に突入します。




さらば日光白根山。絶対また来るからね。
ていうかまた雲かかってきちゃってるから、本当にさっきのやつタイミングが良かったんだなあ。ちょうど上にいる時に晴れにしてくれてありがとう山の神様。




13:00 森林限界に別れを告げて帰路につきます。
予想外の青空のせいで予定よりも長く居座っちゃった。自分の中で13:00になったら現在地がどこであろうと引き返すと決めていたので、それまでに無事山頂参りも出来て良かった。ロープウェイが心配なので、ここからはあまり立ち止まらずに歩いていきたいと思います。




とはいえ時には休憩が必要…。




行きでしっかり足場を固めてきたつもりだったけど、帰りにもズボッと膝まで埋まることも…。




13:40 登りでちょっと気持ち悪くなったからおにぎりには手を付けずに補給食でつないでたけど、さすがにお腹が空いたのでお昼ご飯。
もうどうせ下りてくる人もいないしこの時間から登ってくる人もいないので、どっかり座り込んで休憩。梅おにぎりの塩分がたまらねえ~!




ちらほらと雪が降ってきました。
樹林帯なので大丈夫だとは思うけど、なんせこの後はてんくらCの予報なので、悪天候に見舞われる前に帰ります。




大分なだらかになってきて、山頂駅までもう少しってところかな。
(と思ったけど意外とここからが長かった)




やっぱりこうやって木の葉っぱに雪がどっさり乗ってる風景は非日常感があっていいなあ…。




まんまるの雪があったので落書き。にっこり顔にしたかったけど、ヨッシーアイランドのプチプチくんみたいな表情になっちゃった。ヘタクソ~。




ここは確か朝振り返ったら絶景だった場所だけど、もうすっかり真っ白で山の影ひとつ見えませんでした。




朝は気付かなかったけど壁面につらら。




鳥居が見えてきました。もう間もなく山頂駅か…帰りは結構早かったな…。




朝はあんまり意識せずに正面からだけ見てたけど、屋根の上の雪の量がすごい!なんでこれ朝気付かなかったんだろ!




人の影が一切ないガチでひとりぼっちの山行だったけど、何のトラブルもなく無事に下山できてよかった。山の神様ありがとうございます。
今度また二荒山神社の本殿と中宮祠に挨拶に行かなければ。次行く時はロングライドのリハビリがてら自転車がいいかな。




14:38 ロープウェイ山頂駅に到着。
下山し始めてからも少し写真撮ったりしてたけど、まあまあ真面目にもくもくと下ってきて2時間ちょいというところかな。夏山のコースタイムの1.1~1.2倍くらいって感じか。
アイゼンを片付けていると、山頂駅のスタッフさんが「山頂まで行けました?」と声を掛けてくれて少しお話をしました。山頂はちょうどお昼ごろに少し晴れたけどこっちはずっとこんな感じの天気だったとか、10時半くらいに下ってくる登山客は見かけたけど他に誰もいなかったと言ったら「6時頃にゲレンデに足跡があったから歩いて登ったんだと思う」というようなことも聞きました。確かに4~5時くらいに出発すればロープウェイを使わなくても脚のある人なら10時半すぎにちょうどあの辺ですれ違うか…。




他はみんなスキー・スノボ客なのでロープウェイに乗るのは私一人だけ。
約15分のゴンドラの旅ですが、どんどん天候が崩れてご覧の有様なので、外の景色はそんなに眺めずに荷物整理と撮った写真の整理をして過ごしました。




朝と比べるとたくさんの人が滑っています。




受付で下山報告をしてデポジット1000円を返金してもらった後は、センターステーションの売店で日光白根山の山バッジを購入しました。3つくらい種類があったら迷っちゃったな~。
温泉が併設されているので入っていくつもりでしたが、吹雪の中運転するのは嫌なので寄らずに撤収しました。




帰りも全面凍結している薗原湖を見ながら(あの標高で凍結しててびっくりした)、二度と自転車で走りたくない道上位ランクインの群馬県道62号を通り国道122号へ。桐生は曇ってはいたものの、全然雨も雪も降っていませんでした。
そんなこんなでややハードな一日でしたが、「誕生日という特別な日に、関東最高峰という特別な場所で、大好きな奥日光を眺める」というミッションは無事に達成することが出来ました!
森林限界を越えた後の感動はひとしおだったので、来年以降もぜひまた登ってみたいと思える冬山でした。



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