自転車日和

一人旅好きな自転車女子のライド記録と雑記。ロングライド、ブルベと時々山登り。

BRM427アタック日本海600

この日の天気が悪いのは分かっていたんですが、せっかくこの日のためにもぎ取った連休なので、出来るところまで頑張ってみようと思い出走してきました。初めての600kmです。結果からいうとDNFしています。




安心と信頼の睡眠不足でスタート。この本番前のなかなか寝付けないし、眠れたと思ったらすぐ目が覚める現象なんなんだろう…。前回のアタック高萩と同様、2時間弱の睡眠で出発です。せっかく金曜の午後から休みを取ったのに…。


4時半頃にスタート地のニューサンピア埼玉おごせに到着。スタートから雨のせいか、暴風予報のせいか、私が到着した時にはまだ車が少なかったです。
ちょうど5時スタート組がブリーフィングのために集まっているところでした。


5時スタート組を見送り、5時になったので受付へ。
早々に到着して時間を持て余していたので、一番乗りで受付しました。
駐車券の整理番号が前回の半分くらいの数だったので、DNSがたくさんいたんだろうなあとうかがい知ることができます。




初めての600kmのブルベカード。いきなり雨で濡らしています…。




今回の前半戦の目的は、何とかして22時までにPC3の折り返し地点、新潟市にたどり着くこと。宿のチェックイン予定時刻かつ、適度な睡眠時間を確保するためです。過去参加の300、400での300km地点で大体17~18時間なので、走ることに専念すれば間に合わない時間ではありません。



予報では6時にはやんでいるはずでしたが、雨がやまないままブリーフィング。
オダックス埼玉の代表の方が病気のためお亡くなりになったということで、黙祷をささげてから注意説明に移ります。
そして雨の中スタート。のぼりが苦手なので平坦と下りパートで頑張って時間を稼ぎたいところですが、ときがわを抜けるまでは大型車も通るので、信号で前に追いつくと、なかなか前に出ることも出来ず、ちょっと自分のペースで走りにくかったです。




雨も止んだのでコンビニでトイレ休憩がてらレインウェアを脱ぎます。あついあつい。
レインウェアの下は長袖インナーに半袖でした。登りは暑いからね!(フラグ)
埼玉の低い山々に雲がまとわりついているのが見えます。




寄居に入る頃には青空が顔をのぞかせ始めました。いいぞいいぞ。
でも晴れてきたということは、これから向かい風タイムの始まりかな…?




本庄から群馬に渡る時に国道17号に出た時、青看板に書かれた「新潟 250km」の文字に絶望しつつ、群馬に入るころにはもうすっかりいい天気でテンションが上がります。路面も乾いてる。やっぱり自転車乗るならこういう天気じゃないとなあ。




それにしても群馬、良い景色です。左には榛名山、右には赤城山が良く見えます。
前橋に入ったあたりで、オダックス埼玉の青い車に抜かされます。もはや恒例です。




群馬県庁。見切れちゃった。
前橋には自転車で何度か来ていますが、正面に来たのは初めてかも?埼玉県庁と違って綺麗で羨ましいです。遠くから見ても「あ!群馬県庁だ!」って見て分かる形してる。




グリーンドーム前橋。ここから利根川沿いを走っていきます。




グリーンドーム前橋からは向かい風の洗礼。頑張ればまだスピードが出るので、風速3~5mくらいだったかな?
風が強くて、道路脇に生えている桜の木から猛烈に花びらが飛んできました。


渋川に入るとだんだんと明確に感じ取れるくらいののぼり基調になっていきます。
沼田あたりで見た谷川岳は相変わらず綺麗でした。先週も同じ風景見たはずなんだけど、やっぱりバックが青空だと違います。
下川田町から17号に合流した後は、のぼり基調に向かい風も相まって全然進みません。どんどん後ろから人が来て抜かされていきます。でも焦らない焦らない。想定していた時間よりはまだ余裕がある。



11時ちょっと過ぎにPC1セブンイレブン沼田井土上店(97km地点)に到着。
新潟方面から来たというお兄さんが話しかけてきて「新潟は小雪が舞ってるよ」という情報を得ました。


そういえば、今日は急ぐことばかり頭にあって、補給をおろそかにしている気がします。ここまで信号待ちで食べたカロリーメイト2本とゼリードリンク1本。いつもよりペースを上げていくならしっかり食べないと。
PC1の想定時間は11時半だったから少し時間に余裕もあるので、おにぎり1個とパン1個を食べました。フロントバッグにはおにぎり1個とゼリードリンク2本突っ込んで再スタート。




ここからは群馬と新潟の県境、三国峠を目指しての登坂になります。
といってもがっつり登るというよりはゆるゆると高度が上がっていくような感じ。
カロリーメイトの封を切り、1本食べながら登っていきます。(袋の中には1本残っています。これ覚えておいてください)
頭の上にこういう橋がかかってると、なんかすごいみなかみ感がある。いや、みなかみ今までに1回しか行ったことないからよく分かんないけど…。




さて、押出の丁字路を右折すると、ここからは地獄の89km直進区間。
それでも天気が良いので楽しいのです。景色もきれい。




赤谷湖があまりにも美しかったので、思わず寄り道。PC3まで走りに集中するんじゃなかったんかいと思いつつ、それでも根はゆるポタリストなので、こういうところは見逃せません。




もうちょっと登ったところにはこいのぼりも。いいなあ~綺麗だなあ~。
ちなみに赤谷湖のまわりをぐるーっとまわりながら登っていくんですが、反対側からの景色も最高に良かったです。
ところで奥に見える山が白くなっているのがちょっと気になりますねえ…。




それにしてもまだこの辺は桜が残っていて綺麗。
心配していた風も、この辺はそうでもない感じ。気持ちいい中、どんどん先へ進みます(すいすい進めるとは言ってない)




この辺りはまだ桜が綺麗。なんかすごい春!って感じがしていいですよね。そうなんですよ、今は春なんですよ。花がたくさん咲いていて景色が良い。数日後にはもう5月。春です。
ところで写真に何やら白いものがチラついているの、お分かりいただけるだろうか。




ブルベスタイルの人が2人くらい下りてきて、前を走っていた二人組が「PCにスマホ忘れたのかな?」「自分だったら明日の復路で取りにいくなあ~」なんて話をしていました。


標高700mを越えたあたりから、「ちょっと舞ってるな」では済まないくらい雪が降り始めました。時々突風も吹いて、自転車ごと持っていかれそうになります。ちょっとヒヤッとしました。




だんだん空も白くなっていきます。また何人か下ってきます。
新潟側はトンネルもたくさんあるらしいから、向こうから来る人が安全のために反射ベスト着てるのかな~?って思ってたんですよ。まじで。
でも、後から追いついてきたフォロワーさんの話では、新潟側は雪がすごいから引き返してきたDNF組だったそうです。




正面からものすごい雪と風が吹き付けてきます。完全に吹雪です。
登坂は暑いから、と思って薄着でしたが、耐えられないので途中で止まって冬装備に着替えることにします。本当は三国峠のてっぺんに着いたら着替える算段だったんだけど…。




チェーン着脱所に退避して、真冬ウェアとレインウェアを再び着ます。
自転車を立てかけると倒れちゃいそうなのでもはや寝かす。そんで反射ベストが強風でバタついて全然着られない…。タイムロス。
ちょうど着替えにもたついているところの写真を撮っていた方がいらっしゃったので、勝手に使わせていただきます。
そういえば、この時ここにいたうちの一人が強風にあおられて落車したって言ってたなあ…こわいこわい。




猛吹雪で乗れないので、少しでも風が落ち着く瞬間を狙ってそこまで押し歩き。
なんとか再び自転車にまたがって、ようやく三国トンネルまで来ました。
トンネルの手前では先行したランドヌールたちが記念撮影中。
突風で橋から落ちないように、少し真ん中気味のところを走ってトンネルに突入します。




国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国であった………。
ここからはダウンヒルなので、本来であればここで時間を稼げるはずだったんですが、そうもいかないので安全第一にゆっくり下ります。




が、登りの時と違ってスピードも出るからか、ヘルメットのシールドに雪が付着して全然前が見えねえ~~~!仕方がないのでシールドを外すと、今度はメガネのフレームに雪が積もってレンズが雪に埋もれて前が見えねえ~~~!
ちょこちょこ止まってはメガネを拭って視界を確保して、ゆっくりゆっくり下っていきます。安全第一。でもとにかく目が痛い。薄目開けて自転車で雪山下る女とか怖すぎでしょ。
ダウンヒル中、バシバシ顔面に雪がぶつかって顔がめちゃくちゃ痛かった…。
コンビニを見つけたらネックウォーマーを調達して鼻の下まで覆ってしまおう…とおもいながら下りますが、全然コンビニがありません。まじか。


手も悴んで、変速している感覚が全然分からなくなってきたので、バス停の待合室で持ってきていたカイロを開封。手を温めてから背中ぽっけにしまって体を暖めます。
最低気温4℃じゃなかったのかよ!0℃って書いてあるけど!?高萩の時といい(3月下旬に最低気温1℃といいつつ-3℃だった)、天気予報ってのはまったくあてになりません。




苗場スキー場を通過。スキー板抱えて歩いてる人も見かけましたが、こちとらそんな場合じゃねえ!




二居トンネル。長さは1300m弱。薄暗くて狭いトンネルでした。



トンネルの中は暖かいので、メガネもシールドも曇ります。これ本当クソすぎる…。悪天候の時はコンタクトレンズ必須な気がする。持ってはいるんだけど、度が弱すぎて頭痛するからほぼ付けてないんだよね。
で、長いトンネルを走っていると、なぜか突然滑って落車。タイヤを溝に取られた感じはなく、単純に滑ったんですよね。路面びしゃびしゃだったからかなあ…。
腕に焼けるような熱い痛みがあったので、多分すりむいて血が出たんだと思います。上着ましましだったから軽症で済んだけど。脚はお約束の青あざ。右脚のふくらはぎは、攣った時のような痛み。
つい体の痛み第一で書いちゃいましたけど、この時は「やばい!」と思ってとっさにビンディングを外してほぼないような路肩に避難しました。幸い後ろからは車は来てなかったですが…。
こんな狭くて暗いトンネルで転んで、すぐ後ろに車がいたら普通に轢かれてたと思います。助かった。


さて、車が来る前にトンネルを抜けよう…と思って自転車にまたがってペダルを踏んでも全然前に進まない。なんで???と思ったら転んだ衝撃でチェーン落ちしてました。直そうにも、チェーンキャッチャーの内側だし。これは工具出して直さないとダメなやつ……。
道も狭いし、暗くてよく見えないし、待避所もないトンネルだったので、1km弱歩いてトンネルを抜けました。これはひどいタイムロス。ただでさえダウンヒルで稼げるはずの貯金がほとんどないのに…。


越後湯沢のあたりからは雪ではなく雨に変わりました。
明るい時間の雨だったら、ヘルメットのシールドはきっちりと仕事をしてくれます。幸い下りも終わって、下り基調の平坦へ。ここからは気合を入れ直してPC2を目指します。


途中寄ったコンビニでトイレ休憩をしたんですが、びしゃびしゃのトンネルを歩いたせいで床がめちゃくちゃ汚くなってしましました…。ファミマの店員さんごめんなさい…。イートインもあったんですが、尻も背中も砂交じりの雨水でびしゃびしゃだったので寄りませんでした。
外に出て、PC1でおにぎりを買ってバッグに入れていたのを思い出して食べます。うーん、ひえっひえのかちかち。
そして、食べかけのカロリーメイト。雨水と混ざって、フロントバッグのポケットに茶色い水が満たされていました……。雨水にカロリーメイトが溶けている…。砂も混じっていたので捨てました。ああ~貴重な100kcalが…。


道の駅南魚沼のあたりでは少し雨がやみ、青空が見えました。
天気予報通りにここから雨がやんでくれるんだろうか…そうしたら走りやすくなるな…と思いましたがそんなことなかった。ほどなくして再び雨が降り始めます。




浦佐駅前で久しぶりに他のランドヌールを見かけました。
近くのコンビニにいる数人を除いて、ほぼ最後尾だろうなあと思ってたのでびっくり。
なお、ここから10km先の長い89km区間の終わりまで前を牽かされ、PCまであと1~2kmくらいのところになったらバーっと飛び出して行っちゃったのその人。ひでえ…。




ようやくPC2ローソン広神並柳店(197km地点)に到着。
想定では16時には着いているはずでしたが、下りで稼げなかったこと、寒さで立ち止まっては暖を取ってでタイムロスが激しく、17時半すぎの到着となりました。
でも、ここのPCに集まっている人たちはみんな同じ吹雪と雨の中を抜けてきた仲間なんだなあと思うと心強かったです。ここまで来られた人は強いと思うし、その中に自分もいられることが嬉しい。
おにぎりを一つ食べて、ゼリードリンクとりんごジュースをフロントバッグにセットして再出発。




この先PC3まで約100kmなので、6時間前後かかるとします。
18時前に出発したので、頑張れば24時には折り返し地点に着きます。そこから長岡の宿まで80km弱。朝方5時には到着出来ないこともない。最終チェックインは5時半なので、まあチェックインして1時間ちょいくらいは休める。でも、ただでさえ寝不足スタートなのに、そんな短時間睡眠でのぼり基調の17号からの三国峠を越えられる気がしない。幸い宿はこの先、山を越えた先の先のところに取ってあるし、DNFしてもいいんじゃないか。いや、ここまで頑張って来たのに諦めるのか?距離的にはまだ200kmしか走ってないぞ?
葛藤しながら、とりあえず先へ進みます。


PC2から栃尾までの山越え。高い山ではありませんが、道が暗くてとにかく視界が悪い。いつもだったら200km地点のPCなんて他のランドヌールもたくさんいますが、今回はただでさえまだ走っている人が少なさそうなので、後ろから登ってくることもなく。
寒さで脚の筋肉がかたまってるのもよく分かったし、そんな脚では思うようにうまく動いてもくれません。
もう気持ちは大分DNFに傾いていました。


DNFを決めたのは、石峠トンネルから栃尾までのダウンヒル。
寒くて指がかじかんで、ブレーキを引いてる感覚がない。テムレスしてても、PCとかでグローブ脱いだ時に雨でぬれちゃったんですよね。そうなると低気温の中のダウンヒルでどんどん手が冷えてきちゃう。
そして止まない雨のせいで路面はずるずる。スピードが全然出せない。終始雨だったせいで、ブレーキシューがすり減って、フルブレーキでも止まってくれない。ブレーキレバーを限界まで引けちゃうくらいにブレーキシューがなくなっちゃったんです。
栃尾の先も少しアップダウンがあるようだったので、こんな心許ないブレーキじゃダメだ、と思いました。
もしブレーキが大丈夫だったとしても、ここからあと150km寒さに震えながら宿を目指すのは無理だなと思いました。




くだりで何度も止まっては手を温めて、かからないブレーキを全力で握って。
時間的にはまだ20時前なのに、振り返っても真っ暗、たまにある反射ポールと自転車の前照灯だけを頼りに、結構な距離を下りました。
(青看板が暗闇に浮かび上がってるように見えるくらいには真っ暗でした。そしてブレーキが効かなくて、大分青看板に近いところまで下っちゃってかなり真下からのアングルに)




真っ暗の中、効かないブレーキを握り続けてようやく道の駅とちおへ。
寒さで手は限界、止まってしまうと体の震えもとまらなくなってしまうため、225km地点の道の駅とちおでDNFの連絡を入れました。




ここからは宿のある長岡へ向かうのですが、電車の1本くらい通ってるかと思いきやそんなものはなく、タクシーもなく、仕方がないので雨の中を自走で山越え20km。
栃尾と長岡をつなぐ国道351号は地味に坂がきつく、力が出なくて1km弱くらい坂を押し歩いてしまいました。坂では足をつかないことを信条にしてるのに。きっと寒さで体力を奪われているのに対して補給も不十分だったんでしょう。
坂を登り切った後も再び効かないブレーキを頑張って握って、眠気でふらふらしながら宿を目指しました。20時台で眠気がきてるんだからここで諦めて正解だった、と自分を納得させます。



もし天気が良かったら。もし新潟に宿を取れていたら。もしちゃんと前夜に眠れていたら。もしディスクブレーキだったら。
たらればを言っても仕方ありませんが、悔しいものは悔しいです。悔しい思いを募らせつつ、最後のあがきでPC4のコンビニでご飯を買ってやることにしました。





反省会へ続く。

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