【旅ログ13-1】アルプスを臨む冬旅1日目・深雪の上高地【ハイキング】
2/23~24と連休が取れたので、日帰りでは行きづらいところに行ってみたいと思い、長野県へ泊まりで遠征してきました。
初日は写真を見て一目惚れした冬の上高地に向かうべく、朝4時に自宅を出て松本市へ。
長野県で志賀高原や軽井沢以外を通ったのは3年前の中央アルプスと2年前のアタック善光寺くらいだったので、実質土地勘のない初めて訪れる場所のようなものです。しかも降雪地域に冬に車で行くなんて。道も雪だらけだったらどうしようかと心配でした(実際はほぼ綺麗に除雪されていました)
東部湯ノ丸インターで高速から降りるとなんだか見覚えのある道に出ました。ええ、道の駅雷電くるみの里のあたりですね。アタック善光寺で通った道でした。しかもちょうど道を間違えてウロウロしたあたりでした(笑)
そこから下道を走って7時半に道の駅風穴の里へ。
上高地に向かうまでの最寄りの道の駅です。今回の拠点となる沢渡にもトイレは設置されているはずですが、私は道の駅に対する信頼感が半端ないので、道の駅のトイレを借ります。ちなみにトイレはヒーターがきいててめちゃくちゃ暖かかった…(この時間の外の気温は-7℃でした)
そこからさらに進んで上高地の玄関口、沢渡第二駐車場へ。冬期はこの第二駐車場が開放されているとのことでした。
ここからバスやタクシーで中の湯まで向かうことになるわけですが、中の湯まではタクシーで3000円ということなので、相乗りならまだしもソロではバス安定です。
自宅からここまで遠かったので、バスの時間に遅れたら嫌だなと思ってかなり早めに来てしまいました。支度をして、バス停の場所を確認しに行くことにします。
2年前までは冬期バス停の場所が今と違うところだったようで、私はずっとそっちのレポを読んでいたので「バス停なくない!?どうしよう!?」と焦っていたんですが、去年から冬季バス停は足湯公園前のロータリーになったようです。
バス到着の10分くらい前になるともう一人ハイカーのお兄さんが来ました。心配だったので「上高地行きのバスってここでいいんですよね?」と確認。あってたみたいで安心。
祝日だったしてんくらAだったので、てっきりたくさんのハイカーで賑わうのかなと思っていたんですが、さわんどを出た時点でバスに乗っていたのは白骨温泉方面に向かうと思しきおしゃれなお姉さん2人と、さわんどで乗った私とお兄さんの計4人でした。ちなみに先払い1000円です。
シーズン中なら上高地までバスで行けるようですが、冬季通行止めということで中の湯でバスから降りて、そこから上高地まで歩いていくことになります。
事前にネットでバスの時間は確認していたけど、なんせ逃すと氷点下の中3時間待ちになってしまうわけなので、きちんと直接バス停と時刻表をチェックしてからの出発です。
中の湯売店脇から釜トンネルの方へ向かいます。
9:20 およそ同じタイミングでスタートしたのが、バスに乗ってきた私とお兄さん、それから少し遅れたタイミングでタクシーでやってきた2人でした。(相乗りしてたけど別行動してたからお互いに単独行だったみたい)
このエリアは初めてなので、通行止め期間外は自転車で通れるのかとか全然分からないんですが、1km以上続く真っ暗闇のトンネルなのだそうです。
買ってからしばらく経つけど一度も使ったことのなかったヘッドライトを装着して歩き始めます。
ところどころ明るいところはあるものの、真っ暗闇の中をヘッドライトの明かりを頼りに進んでいきます。
ペースも知らない舐めプ野郎なので、一番最後にトンネルに入ったくせに全員を抜いて一番最初にトンネルを抜けました。ちなみにトンネルの中は勾配11%のクソ坂なので、ハイキング開始する前からふくらはぎがイカレました。
長すぎるよまじで…。あと坂つらい…。他の人の明かりも見えなくなったの心細い…。
釜トンネルの出口が見えてきました。久しぶりの外の世界だ!
トンネルを抜けるとそこは……
2つ目のトンネルでした(笑)
こちらの上高地トンネルは明るいしもう少し短いです。坂もそんなにきつくなかった記憶。
今度こそトンネルを抜けて……
冬の上高地!いくぞ!
厚い雲がかかったりしていて、「てんくらAとは雨風がなければAなのか!?」と思って嘆きつつも、目の前に広がる来たアルプスを心の目で見ながら前進前進。
今回、冬の上高地はスノーシューを使うのが望ましいということで、そらのしたさんでレンタルをしました。スノーシュー以外にも様々な登山ギアを自宅配送でレンタルしてくれます。場所によっては現地でレンタルサービスもあったりしますが、上高地ではそれがないのでとても助かりました。
ということでスノーシューデビュー!
ふかふかの雪がたくさん積もっていたというのもあるけど、スノーシューとても良くて買いたくなりました。ちなみに今期はどこも完売しているようなので来年の冬になりそうです。わかんとスノーシューどっちがいいかなって思ってたんだけど、スノーシュー楽しすぎる。ついバックで歩こうとしてかかとが地面に突き刺さって尻餅をつくっていうのを2回くらいやらかしましたが。
いざすすめー!
うっすら青空がのぞきますがなんともいまいち。
でもやっぱり雪山かっこいいなあ…。
恥ずかしがり屋の明神岳。でもやっぱりフォルムがかっこいいよねえ。
10:25 大正池の冬期トイレ。ものすごく埋もれています。
中の様子は見ませんでしたが、トイレに向かって足跡もあったのできちんと使えるんだと思います。まあ冬期トイレっていうくらいだしね。
大正池ホテルを通過して、まだまだ先へ進みます。
遊歩道から雪が溢れてる。
こっちもなかなか。
カッコイイー!
ひたすら北へ。
途中で向かいから歩いてくる2人組がいたのですごい速いのかなって思ってたんですが、どうやら先でキャンプをしていた人だったのかもしれません。
そしてさらに前を歩いていた2人組に追いつきました。もしかしたら、朝駐車場で準備していた時にタクシーで出発した人たちだったのかも?
途中で立ち止まって写真を撮りながら歩いていたら、さっき抜いた二人組が「おじょうさーん」と遠くから声をかけてきました。なんだろう?っと思ったら、カメラのレンズの蓋を落としていたみたいでした。拾っていただいてありがたい。ていうか最近落し物ばかりでは…?
「天気いいからね、写真撮りたくなっちゃうよね~」なんて言うお兄さんにちょっと島崎三歩みを感じたのでした。
ていうかあと2日もすれば32歳だけどお嬢さんって呼ばれたの嬉しいね!?若く見えたってことでしょ!?違う!?(笑)
おもしろい雪の模様。
スノーシューに助けられながら雪原を歩いていきます。
するとなにやら人工物が見えてきました。
バス停!?雪すご!!
こっちは何の施設なのかよく分からなかった。
もう少し進むとまた建物が見えてきました。
ここが上高地!目の前にどどーん!と聳える山がかっこよすぎます。
ちなみにもちろんお土産屋さんはすべて閉まっています。
スノーシューで歩くのも楽しいけど、楽しすぎて脚を使い過ぎて脚の付け根が痛くなってきました。困った~。
一休みして行こうか迷ったけど、もう少しで河童橋なのでそこまで行っちゃうことにします。
この足跡の上に雪が積もったようなやつすごい綺麗だよね。
11:37 河童橋に到着。
これが河童橋!この景色を見ると、上高地だなあって思います。雑誌やジグソーパズルでしか見たことないけど。
周りには人もいなさそうだったのでカメラを立てて自撮り準備。
これが晴れてればマジで最高だったんだけどなあ~。
風雪がないだけマシか。
しばらく河童橋のあたりをウロウロしてからお昼休憩にします。
でね、この写真見ればなんとなく分かるかもしれないんですけどね、雪降ってきました。てんくらAとは!?!?
今日のお昼は海老のビスクスープリゾット。
あまりにお手軽すぎるから、冬のランチはこれが多くなりそうです。アソートパックを大量外してしまいました。
お昼休憩をしていると、カメラレンズの蓋を拾ってくれたお兄さんたちが追いついてきました。少し話をしてからお見送り。
だんだん風と雪が強くなってきて、インナーグローブだけでは寒くなってきました。指の感覚がなくなる前にアウターグローブも装着していきます。
のんびり休憩していたら、朝バスで一緒だったお兄さんも到着しました。今日はこの先で泊まりなんだそうです。いやほんと日中ですら氷点下なのにそんなところで一晩明かすなんて私にはとても信じられない世界の話だよ……。
少し粘ってみたけど結局青空は拝めませんでした。
残念ですがあまりもたもたしている時間もないのでそろそろ引き返します。
この時12:23 クソ寒い中40分も居座ってしまいました。
ウェストン碑を見に行きたかったので河童橋を渡って橋の西側へ。
ノートレースの雪に自分だけの足跡が残る様はなんとも言えない快感です。が、ものすごく疲れる。だって雪に埋まるんだもん!で、足を引き抜くにも体力がいるんだもん!
少し頑張って進んでみましたが、平地なのに息が切れるし、空気が冷たいから息を吸っても苦しいし、そして何より牛歩すぎてバスに間に合うのか心配になってきたので、河童橋まで引き返して歩きやすい道を進むことにしました。勇気ある撤退はだいじ。
12:42 さて、果たしてここから2時間以内にバス停まで戻れるかな?(戻れなかったらバス3時間待ち)
さらば上高地、いつか必ずまた来るね。
来る時も同じ場所で写真撮った気がするな!?
復路では10人以上のグループや他にも何人かすれ違いました。みんなキャンプ組なのかな?ガッツがすごい。ソリに荷物を積んで引きながら歩いてる人たちも見かけました。
大正池から焼岳方面は朝よりいくらか青空が見えていました。
北はこんな感じ…。まあこれで未練なく引き返せるというものです。もし晴れてたら「もう少し粘ってればよかった~!」ってなってバスを逃していただろうからね…。
朝は気付かなかったけどここって県道だったのか。
青空が見えるとこんな素敵な景色だ。いつかまた絶対青空の日に来たい。
……うん、後悔はない。
14:12 トンネルが見えてきました。
いくらか急ぎ足で戻ってきたけど、3:05のバスには間に合いそうで一安心。スノーシューやカメラをザックに収納してトンネル内を歩いていきます。
上高地トンネルは明るい。
釜トンネルは真っ暗。誰の姿も見えないけど、後ろにいる2人組の話し声が反響しています。トンネルの中に響く音、苦手なんだよなあ。
自転車でトンネルを走ってる時に車の轟音が迫ってくるの超びびるじゃん?しかもすごく近くで聞こえる気がするのになかなか追いついてこないからなかなか抜いてもらえないの。普通に怖いじゃん?
そんなことを考えながら歩いているとトンネルの出口へ。
久方ぶりのシャバの空気だァ~!
14:40 中の湯バス停に到着。帰りのバスは洞門の中にあります。洞門から見える氷柱がすごい。
東の空もすっかり青くなってきた。
……後悔はしてないよ!でも正直もっと晴れてくれれば最高だったなとは思ってるよ!
3:05に定刻通りにバスが到着し、そこからさわんどバスターミナルまで。
乗客は先客の1人と、中の湯から乗った私、スキーを履いて歩いていた2人組、最後にバス停に着いた3人組の計7人。
沢渡で降りた他のハイカーはささっと準備を整えてあっという間に駐車場からいなくなってしまいました。私はまだのんびりしていくぞ!
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