自転車日和

一人旅好きな自転車女子のライド記録と雑記。ロングライド、ブルベと時々山登り。

BRM601中央アルプス600・その1

悪天候でDNFを余儀なくされたアタック日本海600kmのリベンジマッチをしてきました。
アタック日本海の後、珍しくきちんと反省会をしたので、今回はいろいろと準備をしています。




・荷物は少なめに。サドルバッグの中身は、輪行袋と替えのインナーとレインウェアとパンク修理セットのみ。フロントバッグにはちまちました補給食とライト類、バッテリーのみ。
・微妙に降水確率40%くらいだったので、万が一途中で雨が降ってブレーキがすり減った時のために予備のブレーキシュー。キューシートはにじんで読めなくならないようにラミネート。
・300kmちょいのところでPC、その後は通過チェックだったため320km地点に宿を予約。
・早めのコンビニ休憩、仮眠場所を事前にいくつか想定。
・補給は食べられるうちにしっかりと。




試走した時にうっかり間違えて獲得標高高めのブルベにエントリーしてしまったことに気付いて後悔していて(誤ってエントリーした理由)、同日開催で難易度が低そうな日立600にエントリーしようかギリギリまで悩んでいたんですが、「完走したら自信がつくぞ」と「ダメなら自分にはまだ600km走れるだけの実力がない」という気持ちが勝って中央アルプス1本にしました。



さすがにスタート地点の吉岡温泉は遠いため、前日は前橋で一泊。近場とはいえ3時起きの予定なので、18時には布団に入りました。
それから30分ほどうとうとしたり目が覚めたりを繰り返していたんですが、そうしているうちに猛烈な腹痛に襲われてトイレと親友になったりしているうちに眠気も吹き飛び、まさかの無睡眠での出走となりました…。
ただでさえ坂嫌いにはハードなコースなのに、寝借金によりベリーハードになりました。


ちなみに元々押さえていた飯田市内の宿も、到着が25時をとっくにまわりそうで27時には出発しなきゃいけないので泊まる余裕なしと判断して前日キャンセルしてしまいました。



4時過ぎに吉岡温泉に到着して急いで準備。




到着もゆっくりめだったため、ほどなくしてブリーフィング。
「ブルベ初めての人~?」は笑ったけど、世の中初めてで600kmに挑戦する人もいるんだろうなあ…。




5時になりスタート。
利根川CRは結構お世話になったので、五料橋すぎからCRなのにアップダウンだとかのぼり基調とかあるのは知っている…。
しょっぱなからのぼりなのでタラタラ走っていたのに、CR区間7kmあるにも関わらず
誰にも会わない…。あれ?最後尾スタートだったっけ?と思うくらい誰もいないので不安になりました。でも最初の信号でたくさん後ろから来てどんどん抜かれていったので安心しました。




20kmちょいのコンビニでトイレと補給のため休憩。ちゃんと調べておかなかったらこの後空腹とトイレで困ってたはず。
道の駅あがつま峡も良いんだけど、あそこは行ったら帰りに坂をのぼってこないとコース復帰出来ないんだよなあ…。
ここでおじいちゃんに「自転車がたくさん通ったけどサイクリングクラブかい?」と話しかけられました。確かにブルベの団体ってサイクリングクラブなのかも?
ちょっと談笑してる間に数人通り過ぎていったため、いよいよ最後尾かな~と思いながらリスタート。




緩やかな坂ですが、PC1の標高は1000m近いため、ぐんぐんと高度をあげていきます。




途中で綺麗なポピー畑を見つけたので思わず写真撮影。天空のポピーだ~!
そういえば天空のポピーまつりが終わったら、久々に三沢~秩父高原牧場の激坂チャレンジしようかと思ってます。




道の駅八ッ場ふるさと館のあたりで一人おいついて、8時前には嬬恋村の看板のところを通過できました。うんうん、いいペース。
PC1セブンイレブン嬬恋大笹店(65.3km) 8時40分に到着。試走時より20分速く到着出来ました。睡眠不足なのでちょっとオーバーペースすぎやしないかと心配になりましたが、この後も基本的に時間に余裕のない感じになりそうなのでこのくらいがちょうどよかったんだろうなあ。
それにしてもPC1で片手でおさまるくらいしか人いないのは初めてです。みんな速すぎぃ…。




PC1までに1000m以上のぼるブルベなんて初めてだよ!いつも最初の100kmでせいぜい200mくらいだよ!やはり埼玉は貧脚に優しい土地。




おにぎりとアップルパイ、オレンジジュース(前にオレンジジュースはロングライドに良いみたいなのを見て飲んでみました)を摂取して鳥居峠に向かいます。




良い景色。このままつまごいパノラマラインに離脱したい。
このキャベツたちが9月のキャベヒルの参加賞になるのかな~。




ちょうど鳥居峠のあたりでスマホのタッチが効かなくなっちゃったので、鳥居峠での写真はなし。電話用のガラケーのカメラでは撮ったので、今度時間のある時に思い出したら載せておきます。


菅平までののぼりは、試走時に確認していたので絶望感なく走れました。
試走の時は「のぼりまだ終わりじゃないんか…」と思いながらの登坂だったのでけっこうつらかったんですが、今回は「あれ?前に来た時よりもちょっと楽かも?」と思いながら登れました。


下りはブリーフィングでも言われていましたが、相変わらずの急勾配だったので速度を落として安全に。後ろから来る車も少なかったので、下りやすかったです。




川中島駅で一人ブルベの格好をした人がいて、「数時間ぶりに他の人を見かけたな~!」なんて喜んでいたんですが、DNFされた方っぽかったです。flybys見てたら川中島DNFの方いらっしゃったので…。
というわけで再び一人旅で誰にも会うことなくPC2ローソン篠ノ井村山店(118.9km)へ。試走時にはクローズ9分前に到着して死にかけたけど、約40分の貯金が出来ました。
おにぎり2個とコーラ、最初に寄ったコンビニで買っていたあんぱんを食べます。自転車乗りはあんぱん大好きだからあんぱん補給してみたけど、これロングライド中に食べるものじゃないな…やっぱりパン系は食べにくい。
ここで「同じくらいのペースだからまた会うかも」みたいなことを言ってくれた方がいたんですが、その後コース上で会うことは二度とありませんでした(笑)




さて、PC2からPC3までの120km、そのうち100kmが上り基調。地獄の登坂区間です。クローズぎりぎりの20時半すぎにPC3到着を想定していたのですが、PC2に思っていたより早く着いたのでほんのちょびっと余裕があります。


国道19号沿いの犀川は天気も相まってとても綺麗でした。
山の中の川はとても綺麗で好き。日光大笹牧場北側の鬼怒川上流とか、粕尾峠に至るまでの思川とか。本当にきれい。




国道19号はとにかく道の駅がたくさんあったので、今度お泊まりライドでゆっくり道の駅スタンプを回収してまわりたいなあ…。




この恐竜見た瞬間に「アマゾンで買える類のやつかな?」って思いました。



これ。


信州新町を過ぎたあたりからちょこちょこ眠気が襲ってきたので、何度か立ち止まって眠気を振り払いつつ進みます。
のぼり苦手で遅いから、代わり映えのない景色を時間かけてたらたら進んでるとすごい眠くなっちゃうんだよねえ…。


眠気と戦っていましたが、急に眠気が吹き飛んで元気になってきたのでとにかく進んで安曇野市へ突入。初めて来たなあ安曇野。というか今年に入るまで自転車で長野に行ったことなかった。景色本当最高すぎるんだけど坂がただひたすらクソすぎる…。
鳥居トンネルが1000mくらいだからまだあと500mのぼるんか…絶望。




逆光なので写真だと分かりづらいですが、長野はまだ雪山を拝める。最高である。奥日光も浅間山ももう溶けちゃったからなあ…。




暑すぎるので途中のコンビニで休憩。この日は氷を買いまくっている…。氷水を体に欠けながら走るの気持ちよすぎる(ただしすぐに乾く)




市街地はさすがに車が多くて思うように進めませんでした。でも大丈夫、まだ時間に余裕あるから!




ぐんぐん南下して木曽路へ。「これより先木曽路」っていう看板の写真撮るの忘れちゃった。下り坂の途中にあったから、気付いた時には通りすぎてたんだよねえ…残念。




長野を熟知している方がおすすめしていた奈良井宿。
この辺通るのは日没後かなあなんて思っていたんですが、18時前に通りかかったのでコースを外れて寄り道。




写真で見たあの街並みを拝みたかったんですが、どこにあるのか見つけられなかったので諦めました…。この先も過密スケジュールになりそうなので、時間が惜しくて……。もうちょっと観光スポットの下調べはしておくべきでした。
でも木曽の大橋はしっかりと押さえましたよ!




さて、悪名高き鳥居トンネルに到着。長かったのぼり区間も終わり、トンネルを抜けると下り坂です。
このトンネルは狭くて交通量も多くて危険なため、歩道通行とされていたため、歩道を渡りました。




トンネルを抜けたら重量級の私には独壇場。
長野の道は基本的に側溝のふたがない(ような印象な)ので、側溝に落ちないように気を付けて下ります。
PC3セブンイレブン木曽福島店(238.8km)に19時ちょいくらいに到着。貯金は2時間弱。なんか知らんけどすごく増えている。ありがたい。他の参加者さんもたくさんいたので安心感ある…。
おにぎりを2個食べて元気を取り戻します。リップクリームを車の中に忘れてしまって唇がさがさで痛い。おにぎりののりが唇にしみました。




木曽の棧から国道19号を外れて真っ暗な道へ。
真っ暗で景色が全然分からなかったんですが、長いトンネルを2つ抜けた先(かくれ滝トンネル?)にあった犬がめちゃくちゃ吠えてくるゾーンがすごい怖かったです。
おそらく数匹の犬だと思うんですけど、めちゃくちゃ吠え煽ってくるし、進行方向をライトで照らした先に飛び掛からんばかりの勢いのケルベロスみたいな犬がいて超びびりました(車道までは飛び出してこなかったので繋がれてたんだと思いますが、全然見えなくて犬の姿だけ照らし出されて怖かった)


再び国道19号と合流した後は、それなりの交通量のある道。
トラックばんばんくるし、センターラインにポール立ってるし、カーブで無理やり追い越してくるような車もいて正直いつか当てられるんじゃないかとヒヤヒヤしました。



妻籠宿からは今回のブルベ最大の登り。距離的には15kmくらい?そう長くはないものの、本格的な登坂です。というかここまで4000m弱登ってきてから本格的な峠はずるい。最大の山場をちょうど真ん中あたりに持ってくるのずるい。




住宅があるエリアはちらほらと街灯やら自販機やら民家の明かりやらで明るかったんですが、大江戸温泉物語を過ぎたあたりから真っ暗な山中に。
ひーこらしながら登りますが、後ろから誰も来ないし真っ暗だし怖いし脚はしんどいし、自転車から降りてちょっと休憩。体力が回復するまで自転車を押して歩いてのぼりましたが、さすがに7%以上あるとふくらはぎに来る…。少し緩やかになったところで自転車にまたがります。
そうしているうちに後ろから自転車の明かりがひとつ。数時間ぶりに他の人を見かけた~!待って~!こんな暗い山の中で置いていかないで~!と思いましたが、貧脚マンなのであっという間に姿が見えなくなってしまいました。どやっ、これが榛名山1時間半、赤城山2時間半、ツルつく1時間の貧脚力。


押し歩きを交えながら大平峠をなんとか登りきりました。峠ということはこの先は下り坂に違いない…そう信じて先に進みましたが、なんとこの先も登りでした。クソクソクソー!




そのまま続けて清内路峠。
てっぺんに近づくに連れて、走り屋が暴走する音が聞こえてきました。直前のつづら折りを使ってドリフトしまくってるやんちゃ太郎たちのようです。
飽きもせずに同じところを往復しているようでした(それを言ったら好きで山練とかして同じ峠を往復しまくってる自転車も同じですが)
反射ベストに尾灯、ヘルメット尾灯で存在感はしっかりアピールしていますが、うっかり轢かれたらどうしよう怖いなあとか、絡まれたら嫌だな怖いなあとか思いながらやっとの思いで切り抜けます。
そしてようやくたどり着いた清内路トンネル。ここからPC4までは下り坂です。やったあ。




PC4ローソン阿智駒場店(307.8km)には23時半頃に到着。
何気にここでもう半分を迎えていました。今までのブルベでは「残り総距離があと何キロ…」なんて思いながら走っていたので先が長く感じられていましたが、今回は山岳ブルベ(山岳って言っていいのか分からないけど個人的には600kmで7000m弱って言ったら山岳です)で常に時間に追われていたし、ゴールまでの距離よりも次のPCまでの時間を意識しすぎていたので残り距離のことはあまり頭にありませんでした。




25時頃に到着すると思っていたのでここでPC4にたどり着けたことはかなり大きい。
眠気はまだありませんでしたが、とにかくこの日は暑くて汗臭さが気になったのでシャワーを浴びたい。
コンビニのイートインで仮眠を繋いでゴールを目指そうと思っていたのですが、時間もあるしとにかくお風呂に入りたかったので、もともと予約していた飯田市内の宿に連絡。キャンセル料はまあそんなに高くないし勉強代ということして、空き部屋の確認と自転車をそのまま館内に置かせてもらえるかを電話で聞いて10kmちょい先の宿へ。先客の自転車が2台ありました。




24時半前にチェックインしてシャワーを浴びて、「これが噂に聞く人権回復というやつか…」という気持ちに浸りました。なるほど、確かにこれは400kmまでのブルベでは体験できないやつだ…。
サイコンを充電して、眠気は強くないけどベッドにごろん。そんなに眠くないと思っていたはずなのに、目覚ましが鳴るまで2時間弱ぐっすりと眠りました。




その2へ続く。

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