自転車日和

一人旅好きな自転車女子のライド記録と雑記。ロングライド、ブルベと時々山登り。

福島満喫ライド2日目・棚田と峠越え編

1日目の続き。




寝不足と疲労でぐっすり眠って2日目を迎えます。
この日は大型の荷物や着替え等を宅急便で送ってしまったため、フロントバッグを取り外してサドルバッグのみ。重量的にも荷物は2kg以下くらいになったかと思います。
なかなかサイコンがGPS補足しなくて出発までもたつきましたが、宿のガレージで自転車を組み立てて5時半前に出発。




前夜からなかなかの暴風で、朝から強風の東風。すなわち追い風です。交通量のない早朝の市街地をびゅーんと駆け抜けて、宿から3km程度でいきなり山の中へ。




東の空はうっすら曇っていました。それでも下に広がる田んぼの輝きが美しい。




めちゃくちゃしましまな道路を走っていきます。




のぼってくだって山都駅。こぢんまりとしていて可愛い駅舎です。
朝はひんやりしていたので、駅のトイレを借りようかなと思ったら、シャッターが閉まっていました。駅のトイレって24時間開放されているものじゃないのか…。




気を取り直して先に進みます。
県道338号に入り、この日最大の目的である小土山の棚田を見に行きます。
これもやはり棚田100選には入っていないんですが、せっかくの遠征だから棚田とか見られないかな~と思って調べていたら見付けた場所なのです。




写真がないことから察していただきたいんですが、かなりえぐい激坂つづら折りが3つほどあり、そこをなんとか越えて集落へ。
きっと昨日の装備で走っていたら、後ろから引っ張られるような感じがしたんだろうなあ。ただでさえ自分が標準体重+10kg弱の重量級なのでのぼりはつらいのに。



そして念願の棚田!




棚田!




棚田!




最高です。朝の冷たくて気持ちいい空気のおかげで、景色の良さにブーストがかかっています。たまりません。
我々が良い景色を見てよだれを垂らすように、木も樹液を垂らしています。分かります、その気持ち。




さらにのぼってまた棚田。




棚田~!




集落を越えると今度は西会津町です。まるで林道のような狭い県道を進みます。対向から車が来なくてよかった!




西会津町の看板が見えてきました。ここからはひたすら下り坂。




ちなみにここは陳ヶ峯峠というそうです。ほとんど車が通らない、静かで気持ちの良い場所でした。




下っている道でも棚田を見つけて足を止めます。
関東ではもう終わってしまっている藤の花もまだ咲いています。




ひたすら下って開けた道へ。広くて交通量も少なくてかなり走りやすいです。




振り返ると飯豊山。あの白いの、雲じゃなくて雪なんですよ…最高すぎません…?




この日最初の道の駅、にしあいづへ。




残念ながらオープンまで1時間半もあるし、この後の予定やら天気やらを考えると待っているわけにはいきません。
目と鼻の先にあるスタンプを押せないまま、泣く泣く撤退します。
でもセブンティーンアイス補給は忘れません。なんで福島まで来て関宿城で食べられるものを食べているのか…。




この後は国道400号で南下します。本日2つめののぼりです。
写真スポットみたいなところにしっかりポスターがあるので宣伝力はんぱない。




国道なのにこの交通量のなさ。路面も結構綺麗です。そして溢れる自然。




勾配もせいぜい3~5%程度で、脚に負担のない感じでゆるゆるっと登っていきます。




こういう、the森!って感じの景色たまりません。最高。




魅惑のカーブ。




実はこの道、峠ロゲイニング2日目の最初のチェックポイントとなる杉峠。




まだまだのぼります。大型は通り抜けが出来なかったりするような場所もあるので、路面も荒らされていなくて綺麗なのです。




あと300mくらいでてっぺんかな?藤の花が綺麗だったので、自転車と一緒に写真を撮ります。
また左の方にポスターうつっちゃったよ…。




CP1杉峠のてっぺんまで来ました。これと言って目印のようなものはないのですが、新緑が良い感じです。




下るとまたもや棚田。いいなあ棚田最高。




三島町に突入します。




やっぱりダウンヒルは気持ちいい!




綺麗な川が見えました。只見川です。このエメラルドグリーンを見ると、3月に見た鬼怒川を思い出します。




すぐ近くには道の駅尾瀬街道みしま宿。
実は先へ進んでちょっと坂をのぼった後に通り過ぎていることに気づいたんです。西会津の道の駅スタンプを押せなかったので、さすがに2つ連続スルーは嫌だったので戻ります。




道の駅裏は第一只見橋梁ビューポイントとなっています。
午前中は天気も良かったので最高の見晴らしでした。




道の駅スタンプは無事押せたんですが、10時オープンの食堂にある「桐炭ソフト」がめちゃくちゃ気になりました。
ポスターの写真を見ると、黒いソフトクリームなんですよね。自転車乗りが大好きなソフトクリーム。しかも変わり種系となると、食べないわけにはいきません。
幸いあと30分ほどで10時になるので、売店でパンと飲み物を買って時間を潰しつつ、ソフトクリームタイムを待ちます。ちなみにこのヤマザキの塩レモン、すっぱすぎずしょっぱすぎず、ほどよい口当たりでさらっと飲みやすかったです。夏場の定番ドリンクにしたい。




10時になると同時に券売機にダッシュし、ソフトクリームを購入します。
光の当たり具合のせいか、はたまた本当に黒ではなかったのか……完全にチョコレートソフトです。味もチョコレート味。これはちょっとやられたな…。でもチョコレートうまい!疲れた体にはやっぱり甘いものですわ!形が不細工なのはご愛嬌。
※ここまで食べたのは朝食のおにぎり2個と道の駅で食べたパン1個、アイス2個。ここ大事なので覚えておいてくださいね!




県道59号をのぼってくだって…




たどり着いたのは大谷峠入口。ここはチェックポイントの峠ではないんですが、南下するのに良さそうだったので引いたルートです。
あとから地図を見返してみると、県道153号という選択肢もありましたね。




交通量は相変わらず少なく、すれ違った軽トラ2台のみでした。
が、この大谷峠、とにかく勾配がきつい。天空のポピー坂を彷彿とさせる苦しさでした。長さも勾配もポピー坂の方が上ではあるんですが、最近激坂ってのぼってなかったから…。
3km弱の大谷峠を越えて、今度はお待ちかねのダウンヒル。




そして間髪入れずに県道32号、再び長い長い上り坂が始まります。
そこまできつい坂ではないので、よいしょよいしょしないでものぼれるんですが、今日は朝からわりとのぼっているのでちょっと脚が疲れてきたのかもしれません。
それでも藤と棚田の絶景で疲労が軽減されていくような気がしました。




たまに通る地元の車の人に「えっ自転車?」みたいな目で運転席と助手席からガン見されながらも先を目指します。




ガッツリしたトンネル感あふれるトンネルではなく、こういうちょっと可愛い感じの小さい丘に開いたトンネルもありました。
トンネルでスリップ落車事件から、ちょっとトンネルの中を走るのが怖いんですが、この交通量なので安心して走ることが出来ました。お天気も良くて路面もドライだしね。




昭和村のあたりで12時の鐘が鳴ります。
チャイムの音の後に時計の鐘の音みたいなのが流れるの、ここ十数年くらい耳にしていないような気がしましたが、久しぶりに聞くことが出来ました。




ここからは国道401号へ。喰丸トンネルを抜けると下り急勾配の坂が続き、国道400号と接続します。
ここの下りの急坂が結構きつかったので、もし次来ることがあっても南から北へ向かうルートは絶対に走らないと心に決めたのでした。絶対のぼりたくない…。




国道400号では東へ向かってさらに南下するんですが、西に行くと道の駅があるので寄り道することにしました。
ここからは下り基調の追い風。風も猛烈に強いので、脚を止めていてもものすごいスピードで進んでいきます。




道の駅からむしの里しょうわに到着。




道の駅グッズがかわいい。このゆるキャラ可愛すぎませんか?ぬいぐるみだかマスコットだか、そんな感じのグッズだったら買ってたんだけどなあ。アクリル系はちょっと趣味ではないのです…。




のぼり基調の暴風向かい風に立ち向かう勇気もなく、とりあえず缶ジュースを一杯飲んで風がやむのを待ちましたが、結局止んでくれることはありませんでした。諦めて出発します。


来た道を引き返し、そこからさらに進むと、ようやく今回のチェックポイント2である鼻舟峠に入ります。




始めは緩やかなのぼり坂。一部道路工事なんかもしていましたが、全体的に綺麗な路面です。非常に走りやすい。距離的には10kmくらいあったんだけど。
多分、峠ロゲイニングで紹介されている峠って基本的に誰でも参加しやすいような易しいものが多いんだろうな。




強風に煽られながら、時には山に遮られて無風で暑い中をどんどん先へ進みます。
勾配計が途中からおかしくて、のぼり坂でマイナスを示したり、そんなにきつくないだろって坂で15%とか叩き出したりしていたので正確な数値は分かりませんが、後半がとにかくつらかったんですよね。まあここまででも結構登ってきているわけだし、疲労もそれなりにあります。でもつらい。




なんとかてっぺんの鼻舟トンネルに到着です。ここが本日のCP2になります。
トンネルに開いた丸い穴がかわいい。




反対側からも。まあまあ長いトンネルでしたが、交通量はほとんどありませんでした。




鼻舟峠から次のチェックポイントの積入山トンネルまでは下り坂。ちょっとくらい登るのかな~と思ったんですが、完全にずっと下り。
なかなかの下り勾配だったので、ここも逆ルートじゃなくて安心しました。




3km程度下って、あっという間にCP3積入山トンネル。




結構脚に来ていたので、もともと予定していた赤土峠(ここもチェックポイントになっている)をやめてトンネルでショートカットしようか悩んだんですが、まあまあ長めのトンネルっぽいのでやっぱり迂回して赤土峠に挑むことにしました。私もランドヌーズのはしくれになりたいので挑戦はしていきたいしね。




最初の2kmほどは下り。下らされるということは、この後しっかり登らないといけないんだろうなあ…そんな予感がします。




たんぼがきれいです。こういう里山の景色たまらない。




じわじわとのぼりはじめます。ところどころ道路に三本爪の引っかき痕みたいなのがあって、昨日クマの話を聞いたばっかりなので、もしやこれはクマの爪痕…?とびびりながら進みます…。
まあ結局その不安はこの後すれ違ったトラクターの轍のおかげでなくなったのですが。




ここでもやっぱりそこまで厳しい登りではないのに脚が思うように進んでくれない感じ。
てっぺん近くで山菜取りをしている夫婦がいて、「自転車で来たの!すごい元気だねえ~!」と驚かれました。
てっぺんあたりの開けたところを通り過ぎたあたりで下り坂が見えたため、おそらくここが峠のてっぺん。CP4赤土峠です。
何も目印になりそうなものがないけどまあいいか…。




ダウンヒルで再び国道400号へ合流します。




阿賀川の上を通る永田橋は工事をしていて一方通行になっていましたが、自転車だったので工事のおじさんに「歩道を渡ってね」と言われて通行することが出来ました。
ここからは国道121号で栃木県との県境、山王峠を目指します。


2~3%程度のだらだらとした上り坂が続きます。本当に大した坂ではないし、本来ならアウターに入っていても走れるような道なんですが、どうにも先へ進みません。こんなところでインナーローを使ってしまいます。それでも思うようにいかず、写真撮影の名目で自転車から降りました。




はい、皆様お察しの通り、どうやらハンガーノックのようです。
ここまで120km、2000mくらい登って、朝から食べたものはおにぎり2個とパン1個、アイス2個だけ。強度はめちゃくちゃ低いとはいえ、普通に消耗するのです。
前々から補給が上手に出来ないのが課題だな~と思っていたし、お腹の調子が良くないとあんまり食べられないし、何よりも今回はお泊り遠征なだけあって、意地でもコンビニで補給をしたくなかったんですよね。失敗しました。からむしの里でお昼食べておけばよかった(お腹の調子がよくなくて飲み物だけで済ませちゃいました)


なんてことない斜度の道を何度か止まって休憩しながら、なんとか道の駅たじまにたどりつきます。体もしんどいし、微妙に雨も降ってきたし…これはなんとかご飯を食べたら来た道を戻って輪行で今市方面に向かうかな…なんて思っていました。




しかし、なんとこの道の駅、レストランがないタイプの道の駅だったのです!しかも時間は16時前なだけあって、がっつりしたご飯類はありませんでした。
仕方がないのでパンを2つ食べて、暖かい飲み物を飲みながらソフトクリーム売り場のお姉さんとしばし談笑。元気だったら道の駅たじま限定のアスパラソフトも食べてみたかったなあ…。


輪行しようか悩んで時刻表を調べてみると、なんと次の電車まで2時間もありそうな様子でした。
それに対してのこりの登坂距離はたったの3km。坂も緩やかなので、ダメならダメで歩けばいいやと思いながら、引き返さずに先へ進むことにします。
予想に反して脚は軽快にまわってくれたので、本当にハンガーノックに陥っていたんだろうなあ。初めての経験だったので、改めて補給の大切さを思い知りました。


そしてようやくCP5山王峠に到着です。




トンネルを抜けるとあとはひたすらダウンヒル。
良ければ下今市駅、ダメでも鬼怒川温泉あたりまで行ければいいなあと思っていたんですが(下今市なら南栗橋行きの電車も出ていますし、何より東武線は電車賃が安いのです)、どうやら17時には川治温泉周辺で雨が降り始める予報でした。確かに雲行きが怪しい感じです。




雨に降られる前に、2時間後の電車が到着する前に出来るだけ距離を稼ぎたかったので、ダウンヒルはややスピードを出していきます。
が、三依を過ぎたところから雨が降り始めてしまいました。もう少し早く降っていれば、諦めて中三依駅から輪行していたのに駅通り過ぎちゃったよ…!
アタック日本海で雨天ダウンヒルはやめておこうと心に誓ったのに、1か月と経たずに雨の中をがっつりダウンヒルしています。なんでや。
山王峠のダウンヒルからウィンドブレーカー代わりにレインコートを着ていたので濡れることはなかったんですけどね!でも平坦で踏むとどうしても蒸れる。しょうがない。


今来た道は厚い雲に覆われていました。




五十里ダム。
雨でも観光スポットは寄り道をするゆるポタローディーの鑑!
自転車始めて1か月ちょっとの時に、五十里ダムあたりのアップダウンですら足をついていたのが懐かしいです。




川治温泉でかわじいにご挨拶。
いつも日光方面に行く時は鬼怒川温泉か湯元温泉に宿泊していますが、川治温泉も泊まってみたいですね。




電車のリミットが近づいてきたので、新藤原駅までなんとか走って輪行準備をします。
この辺りに着いた頃にはもう雨はやんでくれていました。
急いで準備をしていたら、「さっき山の方走ってましたよね?速いですね」とフレンドリーに話しかけてくるお姉さんが。普段話しかけてくれる人にはなるべく愛想よく接しますが、手に持っていた紙で宗教勧誘だと察します…。
「急いでるので」「荷物あんまり持てないので」と断ってなんとか交わすと、近くの踏切が鳴る音が聞こえました。慌てて輪行袋のチャックを閉めてサドルバッグを抱え、クリートカバーをはめないままホームまで急ぎます。大きい駅じゃなくて助かった…。


駅で特急券を買う時間がなかったので、車掌さんに尋ねたら「中で切符出すので乗ってください」と言われて、車内で特急券を発行してもらえることになりました。本当にありがとうございます。
その後は特急リバティで栃木駅まで。そこからは在来線で栗橋へ。栗橋から自走するか迷ったんですが、雨もぱらついていそうだったので久喜駅まで宇都宮線で帰りました。


2日目は2500mくらいかと思ってたんですが結構登っていて、結局2日で4600mほどのぼったのでした。




初めての福島県遠征は景色も素敵で道も走りやすく、とても楽しかったです。まだ訪れていない場所も多いので、今後も何度か遊びに行きたいと思います。




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